年末、大晦日が近づいてくるとスーパーなどでしめ飾りをはじめとしたお正月の縁起物を見かけるようになりますよね。お正月になると家の門や玄関に飾るしめ飾りの種類と意味は?
しめ飾りを飾る理由は?
なぜお正月になると家の門や玄関にしめ飾りを飾るのでしょう。
それは、家に年神様という神様をお迎えするためです。年神様は新しい年を元気に過ごすための力を授けてくれます。
しめ飾りの材料は?
しめ飾りはわらでできています。
わらというのはお米のついていた稲の茎や葉を乾燥させたものです。
なぜわらを使うのでしょうか。
昔はお米がたくさん実ることが人々の願い事でした。だからお米を守ってくれたわらを使ってしめ飾りを作りました。
お米の収穫(稲刈り)は秋にしますね。
でも地方によってはしめ飾りの材料にする稲を真夏に刈り取っています。
その稲は「青刈り」「ミトラズ(実とらず)」と呼ばれる特別な種類で、1m以上の長さに成長するのです。
そしてその刈り取った稲の青い色が変わらないよう温度20度、湿度50%に保った暗い部屋で保管します。
しめ飾りの種類(形)は?
たわら・・・山形県鶴岡市で見られる俵の形をしたしめ飾りです。今年もたくさんお米がとれますようにという願いがこめられています。
つる・・・島根県益田市で見られる鶴の形をしたしめ飾りです。鶴は千年生きると言われ縁起が良いとされています。その鶴にあやかって健康と長寿を願います。くちばしについている赤い唐辛子は魔除けの意味があります。
かめ・・・石川県金沢市で見られる亀の形をしたしめ飾りです。亀は1万年生きるといわれ縁起が良いとされています。長寿への願いがこめられています。3つ重なった輪は親亀・子亀・孫亀の親子三代をあらわしていて家が代々続くよう願いが込められています。
しゃくし・・・愛媛県松山市で見られるしゃくしの形をしたしめ飾りです。しゃくしで今年1年の福をすくいとります。しめ飾りについている2つのダイダイはしめ飾りを飾ることで家に降りてくる神様の目だといわれています。
うま・・・三重県伊賀市の馬の形をしたしめ飾りです。馬は神様の乗り物で昔は本物の馬を奉納していたものが、現在は絵馬や馬のしめ飾りを飾るようになりました。
ほうじゅ・・・宮城県気仙沼市で見られるほうじゅ(宝珠)の形をした「ホシノタマ」というしめ飾りです。宝珠は願いを叶えてくれる玉のことです。
へび・・・滋賀県大津市で見られる蛇の形をしたしめ飾りです。真ん中の渦巻きは蛇がとぐろを巻いているところです。蛇は縁起が良いとされることからこのしめ飾りを玄関に飾ります。
しめ飾りの飾りの意味は?
しめ飾りは形が違うだけではなく、ついている飾りもいろいろありいろいろな意味があります。
扇~またの名を「末広」といいます。繁栄、繁盛するといった末広がりの意味です。
ダイダイ~「代々」と同音のため孫子の代までの繁栄を願っています。
エビ~腰のまがった老人の姿に見えることから長寿への願いが込められています。
ユズリハ~ユズリハという植物は、新しい葉が成長してから古い葉が落ちるので途切れることなく子孫に繁栄をゆずっていかれるよう願いが込められています。
ウラジロ~ウラジロは葉の裏が白いため裏のない潔白な心をあらわしています。
ゴヘイ~神様がよりつく場所だと考えられてきました。和紙に切り込みを入れて折りたたんで作ります。