後の十三夜と十五夜

By | 2014年9月23日

例年の名月は、一年で最も月が美しいとされる『十五夜』を中秋の名月と呼ぶのに対して、『十三夜』は「後の月」「豆名月」「栗名月」とも呼ばれます。

今年の中秋の名月は9月8日(旧暦で8月15日)でしたが、十三夜は10月6日です。
そして、今年は暦を調整する仕組みで、十三夜が2回出現します。後の十三夜は11月5日です。

その2回目の『後の十三夜』前回は1843年、天保14年なのです。
171年ぶりになるんですね。また今回の11月5日を見逃すと今世紀中は二度とありません。

十三夜を、宮中では古くから宴を催すなど月を鑑賞する風習がありました。
十五夜は中国から伝わったものですが、十三夜は日本固有の風習です。
また十五夜に月見をしたら、必ず同じ場所で十三夜にも月見をするものともされていました。
これは十五夜だけ観賞するのは「片月見」といって忌まれていたからです。

 

なぜお月見にはお供え物をするの?


お月見にお供えものをするのは、月が高尚で、みやびな趣の対象だけでなく、信仰の対象でもあったからなのです。十五夜・十三夜・十日夜の3月見は収穫に感謝するお祭りなので、収穫物をお月様にお供えするようになりました。よくみかける月見だんごもお供えもののひとつです。

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月見だんごはいくつお供えすればよいの?


穀物の収穫に感謝して、米を粉にして丸めて作ったのが月見だんごの始まりです。
一般的に月に見たてて丸いだんごを備える傾向が多いですが、豊作祈願・収穫祝いなど物事の結実もあらわしています。
また、十五夜にちなんで大きさは一寸五分(約4.5cm)に丸めますが、真ん丸にすると死者の枕元に供える枕だんごに通じるので、少しですがつぶした丸にします。

月見だんごの供える数はいくつなの?


供える数には2つの説があります。
・1年の満月の数にあわせて12個(閏年は13個)
・十五夜なので15個(十三夜には13個)
例えば15個なら一段目から9個、二段目は4個、三段目は2個になります。

なぜ十五夜にススキを飾るの?


ススキは秋の七草のひとつですね。

【秋の七草】
・撫子(ナデシコ)
・萩(ハギ)
・桔梗(キキョウ)
・葛(クズ)
・藤袴(フジバカマ)
・尾花(オバナ/ススキのこと)
・女郎花(オミナエシ)

ススキは神様のよりしろと考えられています。本当であれば稲穂をよりしろにしたいのですが、まだ稲穂が実る前なので、稲穂に見たてたススキが選ばれたといわれています。また、ススキの鋭い切り口が魔除けになるとされ、お月見のあと軒先に吊るしておく風習もみられます。

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